びぃずの映画な日常

映画の感想を書きます。あくまで個人的な感想ですので悪しからず。

マーメイド NYMPH

友人を訪ねてモンテネグロにバカンスにやって来たアメリカ人ケリーとルーシー。
男女5人で大いに休暇を楽しんでいた彼らだったが、立ち入り禁止の刑務所に使われていた孤島に船を着けた時から不気味な男に命を狙われるはめに。
そんな中、古びた井戸の底に女性を見つけ、助けようとするのだが……。

 

B級ホラーって感じです。
あまり期待しすぎるとがっかりするかもしれませんが、B級ホラー作品だと思って観ると普通に楽しめると思います。
まずストーリーですが、これも普通です。
数人の男女が怪物に追いかけられて一人の女性が生き残って……という、完全にホラーのお約束をなぞったような話です。
正直もうちょっと捻りが欲しかったと思います。(ケリーの弟が実は……とか)
伝えたいことも特に無いようでテーマ性がなく、ストーリーの枠組みだけがある状態です。
人魚と殺人鬼の愛を中心に描くとかケリーがトラウマを克服するということを主題にするとか、何かストーリーに芯がある方がいいなと思いました。
 
美術については、人魚のデザインはいいと思います。
鱗がない下半身が不気味で、ホラー映画の人魚らしく、とても良かったです。
しかし人間の顔をしているときの頭部は、髪が濡れてないしガッツリメイクなので違和感がありました。
顔を見ると普通の女性のようで、現実に引き戻されてしまうから少々がっかりしました。
孤島はとても雰囲気があって良かったと思います。
自然豊かな孤島で殺人鬼から逃げながら元刑務所?の石造りの建物を駆け回るのはスリルがありました。
その他ホラー表現について、ヤスミンが殺されるところはグロテスクですが、他はそうでもありません。
あまりホラーが得意でない人でも楽しめると思います。
ただ、特にバイオレンスな表現が好きな人は結構肝心な部分がぼかされているのでがっかりするかもしれません。
(人魚を攻撃するところなんか肌のドアップに銛を刺すだけですし……。)
あと、緊迫感や動揺を表現するためにわざとカメラをブレさせることはあると思うのですが、ちょっと多用しすぎだと思います。
見ていて気持ち悪くなりました。
まとめると、そこそこ面白いですが、特筆するようなところもない映画だと思いました。