びぃずの映画な日常

映画の感想を書きます。あくまで個人的な感想ですので悪しからず。

ポゼッション

スポーツチームの監督を務めているクライドは妻と折り合いが悪く、三ヶ月前に離婚していた。

それから彼の次女であるエミリーは段々と様子がおかしくなり、教室で暴れるなど奇行が目立つようになる。

初めは両親の離婚がエミリーの精神に悪影響を与えていると疑われた。

しかし、どうもガレージセールで手に入れた木箱に原因があるのではないかとクライドは感づく。

木箱には恐ろしい秘密があって……?

 

 

出来がいい映画だと思います。

映像のクオリティは高いし役者さんも演技が上手いしストーリーも筋道通ってるし美点が多いです。

しかし、特に光るところもないと思いました。

普通のホラー映画という感じで個性がありません。

映像についてですが、街や家や病院内がとても綺麗で、カメラワークや演出も凝っていて素敵でした。

赤い非常口マークの下にエミリーがいるシーンや、画面が点滅を繰り返す悪霊との対決シーンなど緊迫感がありました。

ただ、ビジュアルが小綺麗すぎて怖さを削いでいると思います。

家や街並みが綺麗なのは現代的な雰囲気を出したかったのかもしれませんが、箱やCG感が強い悪霊も小綺麗に見えてホラー映画としてはイマイチに感じました。

古の悪霊なのだからもっと古めかしく見えるようにした方が良かったと思います。

お話は「家族と上手くいかなくなっていた父親が困難を乗り越え家族との絆を取り戻す」というものでしょうか。

乗り越える困難というのが娘に悪霊が取り憑いてしまうというもので、この部分がホラー映画となっているわけです。

ポゼッションをホラー映画だと考えなければこれでいいのかもしれませんが、ホラー映画ならもっとその方面の肉付けをした方が良かったと思います。

箱や、特に悪霊のバックボーンをしっかり描いた方が怖さは増したのではないでしょうか。

映画全体としては技術の高さは伺えるものの心に残らず、個人的にはあまり芸術として刺さる部分はないなと思いました。