びぃずの映画な日常

映画の感想を書きます。あくまで個人的な感想ですので悪しからず。

仮面学園

光陽館高校の内気な生徒たちが突然仮面をつけ、理性を失った行動をとり始めた。
同校の2年生有季(黒須麻耶)は不審に思い調査を始める。
彼女はその過程で堂島(藤原)に出会い恋心を抱くが、彼の背後には事件に関わる暗い影があった……。

 

結構面白かったです。
2000年の映画ですが、今の社会を風刺しているようでした。
一つはインターネットの匿名性です。
仮面の流行は人々が匿名でインターネットに書き込みをし始めたことと重なります。
出自や立場を気にせず発言できる良さと顔が見えないことをいいことに暴力的になってしまう怖さを表現し、仮面学園が描いた仮面社会はインターネットの現状のようでした。
もう一つは、マスク文化です。
最近は感染症の流行で必然になってしまっていますが、それ以前から若者ファッションとしてマスクは定着しつつありました。
マスクをする理由は色々ありますが、ファッションとして広がりつつあったのは視覚的効果を期待してのこともあったと思います。
主に若者が好み中年以降に嫌悪されることも作中の仮面と似ています。
テーマがしっかりとある点はとても良かったと思います。
ストーリーについては、仮面の流行は全国規模なのに事件が主人公周辺の人間関係だけに収まるのが違和感ありました。
確かに仮面学園というタイトルを考えるとDが学校関係者ではない大人だと変だというのはわかるのですが、物語としては規模感が中途半端だと思います。
そういうところが子供向けっぽいなぁとも思いましたが、そもそも原作が児童小説なんですね。
映画は少しターゲットの年齢層を上げていると思うのでそこがチグハグ感の原因かなと思いました。
問題提起をしつつ黒幕のDを追うというストーリーは非常に良かったですが、映画用にD関連のところを組み直しても良かったかもしれません。
役者さんについては、高校生役の人たちの演技がちょっと気になりましたが、藤原竜也は流石の存在感ですね。
藤原竜也と言ったら激しい演技のイメージが強いのですが、仮面学園では物静かな役を演じています。(激しいシーンもあります。)
栗山千明も出演しているのですが、役柄上あまり出番がないのが残念でした。
しかし役にぴったりのミステリアスな雰囲気でとても印象に残りました。
演出については、B級ホラーという感じで安っぽいなと思いました。
元々そういうテイストを目指してたのかもしれませんし、これはこれでいいと思いますが、正直安っぽいなぁと思っていました。
まとめるとディティールは微妙なところもありましたが、大まかなお話と一部俳優がよかったです。